パチスロ新時代を斬る
〜第1回:5号機になって何が変わったか?〜
今回から5回にわたって、5号機について多角的に検証して行きたいと思う。
皆さんの攻略や立ち回りに生かしていただければ幸いである。
さて、早速だが、まず「5号機って何?」という初歩的な事柄について触れたい。パチスロは警察の生活安全課というところが管轄で、法的に管理されている。ここで出玉率等細かく規定されているわけだが、この法律が数年ごとに大きく改正される。その改正で〜号機という形で区分けされていく。ちなみに前回の4号機の規定は約10年前に改正されたものである。
では今回の法改正では何が変わったのか。
まず、警察が重く見たのは当時猛威を振るっていたAT機の爆裂ぶりであった。本来メイン基板として出玉関係の検査を行っていたのだが、当時のAT機は完全にサブ基板で出玉を制御しており、警察の検定は完全に意味の無いものとなっていた。時代はその後ストック機時代に入るが、ここでも出玉試験とは関係無い部分で爆裂仕様を実現。出玉試験そのものが形骸化していたので、法改正に踏み切ったのではないかと推測する。
具体的にどのあたりに改正のメスが入ったのだろうか。
【主な5号機の改正内容】
●ボーナスストックの禁止
●ボーナスの終了条件が規定枚数獲得になった
・払い出し上限A/465枚、B/345枚
・何度でもJACIN出来る
●CT性能の改正
・CT中ボーナス抽選の禁止
・発動条件=特定役の入賞のみ
・終了条件=払出し最大253枚
●RT性能の改正
・揃った図柄によってゲーム数は1通りのみ可(ゲーム数抽選は禁止)
・揃わないRTなどで天井機能や放出ゲームをコントロールすることが禁止
●ATは可能だが成立したフラグは押し順に関係無く取ったものとして出玉率に加算する。(下記出玉率を超えない事)
●出玉性能を抑える改正
・(長時間)17500ゲームで出玉率120%以内
連続役物比率60%以内
2種役物比率70%以内
・(中時間)6000ゲームで出玉率150%以内
連続役物比率60%以内
2種役物比率70%以内
・(短時間)400ゲームで300%以内
●図柄の種類が最大10種類まで使える
●リールが自動停止しない
以上が主な改正点だが、一番大きいのが出玉性能の改正とストックの禁止だろう。この2つを規制されるだけでパチスロの未来が決まってしまった感がある。
出玉率は投入した枚数に対して何枚の払い出しがあったかを表すもので、メーカーにとって短時間6000ゲームで出玉率150%以内、連続役物比率60%以内というのがかなりキツイ内容になっている。
(連続役物比率とは、全体の遊技のなかでボーナスで得た出玉が何%あるかを示すものだ。)
ストックが禁止された事で意図的な連荘の演出が困難となり、爆裂の醍醐味はほぼ無くなったといって良い。
以上が今回の主な改正点である。
4号機の法律を10年かけて爆裂仕様にまで持って行ったメーカーの発想力は脱帽に値する。スーパーBIGや多ライン機の実現、さらにAT機能の発明とストック機能の発明、そして液晶映像技術の発展が絡み合い、まさに芸術といっていいほど進化した4号機パチスロ。5号機は一体どんな方法で発展して行くのだろうか。メーカーの意気込みに期待したいところである。
次回からは5号機の具体的な連荘性能について考えてみたい。
(この企画は2006年2月に掲載されたものです)